執筆日:2023年11月22日
<相談内容>
離婚に伴い私と夫が2分の1ずつ持分を持っている共有名義の家を売りたいのですが、夫の同意を得られません。
この場合、私の持分だけを任意売却することはできるのでしょうか。
<回答>
持分の任意売却は現実的には困難
理論上は、不動産の一部の持分のみを売却することも可能です。
しかし、現実的には困難なケースがほとんどです。
理由としては、
①一部の持分のみを買いたいという人がほとんどいない
②ローンを完済していないと抵当権(担保)が外れない
ということから、現実的に買ってくれる人がいないのです。
持分を手放しても連帯保証は外れない
例えば自分の持分を他の共有者(本件で言えば夫)に買い取ってもらい、自分が所有者から外れたとしても、それで住宅ローンの連帯保証を解除することはできません。
連帯保証は債務を返していことを連帯して保証する銀行との契約なので、夫婦間で持分を変更したとしても銀行には関係のない話だからです。
連帯保証を外すためには、共同で売却する、もしくは自分の持分を夫に譲ったうえで他の銀行で夫単独で借換をしてもらうなどの対応が必要になります。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。