会社の債務超過で資金繰りが悪化 → 任意売却と破産で再出発
ご相談時の状況
K様は愛知県名古屋市内でITシステム関連の会社を経営されていました。
創業当初はITバブルの波にも乗って順調に業績を伸ばしていたそうですが、競争の激化により価格競争が進み、仕事も減って業績が大きく下がっていってしまったそうです。
その結果、好調だった時に投資した多額のシステム開発費を回収できなくなり、資金繰りが悪化していきました。
銀行からの借入で資金繰りをしのいでいましたが、負債が膨れ上がり、今後業績の回復も見込めないことからこれ以上の会社の継続を断念されるという判断をされました。
会社を破産により清算するにあたり、K様ご自身も社長として会社の債務を連帯保証していたことから個人としても自己破産を余儀なくされました。
そこで名古屋市内にあった自宅の売却も必要になったことから当社に任意売却のご相談をいただきました。
当社のサポート内容と結果
当社で債務の状況を精査したところ、会社の債務は5000万円以上ありましたが、K様のご自宅が担保になっている債務額は約2000万円のみでした。
また、当社でご自宅を査定させていただいたところ、名古屋市内でも最近人気が上がっている地域であったこともあり、約3200万円の評価となりました。
そこで早速自宅を任意売却し、担保となっている債務を返済し、残った資金からK様の引越代や会社と個人の破産手続きに必要な弁護士費用や裁判所への予納金を捻出しました。
その後、弁護士が破産手続きを行い、無事に免責が降りて残りの債務が免除されました。
結果として、K様は破産と任意売却で会社と自宅を手放すことになりましたが、債務が無くなり身軽になったのでもう一度事業を起こしたいと前向きに再出発をされました。
感想
自分が作った会社を閉じるのは寂しくて抵抗がありました。もちろん自宅もできることなら残したいという気持ちがありました。しかし、これ以上続けても最後まで負債を返済しきることは到底できないと分かっていました。
そこで一度すべてリセットしてもう一度やり直そうと決意しました。しかし、会社を閉じるにも、会社と自分自身の個人の破産で200万円以上のお金が必要でした。もちろん次の家の引越し代もかかります。
そこでライフソレイユさんに相談し、先に自宅を任意売却してもらいその資金を捻出しました。弁護士さんと連携しながら迅速に手続きをしてくださり、感謝しています。これでマイナスからゼロに戻ってくることができあたので、もう一度前を向いて生きていきたいと思います。
解説
会社の債務に対しては代表者が個人で連帯保証をするのが一般的です。従って、会社の倒産は社長個人の破産も意味します。破産はあくまでも再出発のための制度ですので、後ろめたいことはありません。しかし問題はその費用です。会社と個人の両方で破産手続きをする場合、弁護士費用と裁判所への予納金で200万円以上の費用が必要になることもあります。その場合は、今回のK様のように自宅などの資産を先に任意売却して破産費用に充てるという方法もあります。ただし、破産を前提にした任意売却の売却代金を不当に使ったり隠したりすると詐害行為に抵触するのでご注意ください。