任意売却のデメリットは信用情報に傷が入ってしまうことです。
いわゆるブラックと呼ばれるものです。
すでに住宅ローンや他の借入の返済が滞ってしまっている方は、その期間にもよりますが、もうすでに信用情報に傷が入っている可能性が高いので任意売却によるデメリットにはなりません。
しかし、まだ滞納はしていないが今後支払いが厳しいので任意売却したいという場合は、ローンの返済を止めることによって信用情報に傷が入りますので、このままローンを支払い続けることと信用情報に傷が入ることを天秤にかけて判断する必要があります。
では具体的に信用情報に傷が入る、つまりブラックになることのデメリットを解説します。
新たなローンが組めない
信用情報に傷が入ると新たにローンを組んだり、金融機関からお金を借りることができません。
そのため、任意売却後にもう一度家を買ったり車を購入する際に現金で一括払いする必要があります。
クレジットカードの停止?
信用情報に傷が入っている状態では新たにクレジットカードを作ることはできません。
また、今使用しているクレジットカードについては、カード会社や状況によって利用停止になるものとならないものがあります。
原則としては使用停止になるのですが、中にはそのまま使えてしまう人も実際のところはいるようです。
しかし、使えなくなることを前提にしておいた方が良いでしょう。
一部の賃貸物件が借りられない
引越先として賃貸物件を借りる際に最近では保証会社の利用が条件となることが増えています。
このときもし信用情報に傷が入っていると、一部の保証会社の審査が通らず、賃貸契約を結ぶことができなくなるケースがあります。
ただし、これは各保証会社の審査基準によって変わりますので、ブラックの状態でも保証会社の審査を通過することもあります。
また、もちろん保証会社の利用が条件となっていない物件は借りることができます。
従って、一部借りられない物件も出てきますが、ブラックになったからといって賃貸を借りられないということはありません。
家族や親族には原則影響ありません
良く配偶者やお子様などのご家族への影響を心配する方がいらっしゃいますが、基本的にご家族には影響がありませんのでご安心ください。
ただし、ご家族が連帯保証されている債務については影響が出る可能性がありますので、注意が必要です。
また、ご自身が連帯保証人になることができなくなる場合がありますので、お子様の奨学金などで連帯保証人が必要になった場合は別の方にお願いする必要があります。
信用情報は5~10年で回復する
信用情報は一度傷が入っても概ね5年前後、長くても10年で回復します。
そのため、一生ローンを組めないわけではありません。
ただし、残債が残ったケースで、それを分割返済してくような場合には、あくまでも「完済してから5年」ですので、長期分割で支払っていく場合などは完済するまでの間は何年たっても信用情報が回復しないので注意が必要です。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。