借地権と底地権が絡む任意売却は、価格の調整や債権者への説明、そして借地権者や底地権者との交渉など、複雑な手続きが必要になります。
①借地権とは?
借地借家法2条1号「借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう」とあります。
建物所有のために土地を借りて利用しようとする場合の権利のことを「借地権」といいます。
※「地上権」「賃借権」である必要があります。
「使用貸借」(無償で使用できる契約)による場合は借地借家法の適用は受けません(借地権者の保護される範囲は狭くなります)。
②底地権とは?
借地権がついた土地(宅地)の所有権を底地権といいます。
※土地を貸して地代を得ている地主さんのことを底地権者、反対に土地を借りて家を建てて住んでいる人のことを借地権者と言います。
借地権、底地権の任意売却
借地権、底地権それぞれを単独で処分(=売却)することができますが、使途が制限されてしまっているため、完全な所有権を売却するのに比べてその評価額は低くなってしまいます。
現実的に難しい場合も多いですが、底地権者(地主)は借地人から借地権を買い取る、またその逆に借地人が底地権を買い取ることで、完全な所有権とすれば、その評価額は格段に上がります。
そのため、借地権や底地権の絡む任意売却の場合、十分な期間と債権者への説明・交渉が必要になりますので、お早めにご相談ください。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。