<相談内容>
先日父がなくなり、私と弟で父が住んでいた家を共同相続しました。住宅ローンも残ってはいましたが、生まれ育った家なので、二人で相続することにし、支払いを続けていました。
兄弟二人を中心に町工場を経営しているのですが、売り上げが芳しくなくローンも支払いが厳しくなってきました。
また、先日弟の行方が分からなくなってしまっています。自己破産するしかないのでしょうか。何か良い解決方法はないでしょうか?
<回答>
※共有関係の整理
民法249条:「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」
とあるように、各共有者は共有物全部について利用することができます。
民法251条:「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」
売却などの変更行為は共有者全員の同意が必要になり、本件の場合ですと、家屋を任意売却するには弟の同意がいります。
自己の持ち分のみであれば、弟の同意が無くても売却することができますが、その価格は家すべてを売却するよりも価格はかなり安くなってしまいます。
購入しても実際に使うことができないケースが多いからです。
このような場合は、一括して売りに出せるように協力してもらう必要があります。
※不在者がいる場合
また、本件では弟が行方不明になってしまっており、同意を得ることができない状態にもあります。
このような場合には…
裁判所に請求することで不在者の財産の処分をすることができます。
①財産の保存行為、②性質を変えない範囲での利用・改良行為を超える行為は家庭裁判所の許可を得る必要があります。
本件で、任意売却も含め家屋を処分したい場合、上記①②の範囲の行為ではないため、裁判所の許可を得て不動産の売却を進めることになります。
この手続きは裁判所がからむので機動性が著しく悪く、数か月から長いときは1年くらいかかってしまうこともあります。
一刻も早く動かれることが何よりも重要です。
本件のように複雑な権利関係や状況の中で任意売却を検討するのであれば、より専門的知識は重要になります。
特に共有名義の物件ともなると共有している相手もいるだけではなく、買い手は取引になれている投資家が多く知識だけでなく高い交渉力も必要です。
ですので、全て自分で任意売却の手続きを進めようとはせず、任意売却の専門家に相談する事をお薦めいたします。
当社ライフソレイユは、東海エリアを中心に任意売却に関しての相談を承っております。
勿論、任意売却に関して経過豊富なスタッフが多数在籍しており、売却後の生活のアフターフォローも万全です。
まずは、お気軽にご相談ください。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。