借地借家法38条1項「期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、…契約の更新がないこととする旨を定めることができる。…」
通常の借家契約は更新されることが原則ですが、定期借家契約は更新がありません。
そのまま大家さん・契約者の合意の元で敷金・礼金・仲介手数料など支払い、再契約することで住み続けることは可能です。
借りた側は、いったん契約したら期間中は必ず借り続けなければならないということが 前提になっているので、期間内の途中解約は原則不可能となります。
ただし…
借地借家法38条5項:「…建物の賃貸借の…(床面積が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。・・・」
とあり、居住用建物で床面積が200平方メートル未満のものは、転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情による場合には、契約を中途で解除の申入れをすることができます。
借主側のメリットとしては、定期借家物件の賃料を相場より安い、礼金を不要とするなどの事例が多いという金銭面があります。
ただし、任意売却した後にリースバックをする場合など、長期的にその家に住み続ける場合は、契約期間を長めにしたり、普通賃貸借契約にするなどしたほうが好ましいでしょう。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。