民法601条:「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」とあります。
また…
民法605条:「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。」
とあり、民法上は登記をしなければ第三者に対抗できないとされていますが・・・
借地借家法31条:「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。」
建物の賃貸借の場合は引き渡しさえあれば、第三者に対する対抗要件が備わり、自己の賃借権を主張することができます。
一方更新との関係は、
借地借家法26条:「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」
とあるように更新が原則とされており、借家人が強く保護されるようになっています。
そのため、任意売却後のリースバックの際には更新のない定期貸借契約を要求してくる業者が多いようですが、確実に更新して長期的に自宅に住み続けるという観点から普通賃貸借契約でのリースバックをお勧めします。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。