未登記とは、登記がされていない不動産のことです。
1、登記は必須(義務)か?
日本の不動産取引では、その安全性と円滑化を図るため、不動産の現況と権利関係を登記簿に記録して公示する不動産登記制度を採用しています。
不動産の現況を表示する表題部の登記(建物の種類、構造等)は、法律(不動産登記法)で建物を新築もしくは登記されていない不動産を取得したら「1ヶ月以内」に登記をしなければならないとされています。
登記をしない場合には、「10万円以下」の過料に処せられることがあります。
一方、不動産の権利関係を表示する権利部の登記(所有権等)は、登記するかしないかは任意です。
2、登記をしない場合の不都合
しかし、登記をしないと自分が所有者であることを、他の第三者に主張することができないことになります。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
民法177条:「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
このように未登記だと売買などで取得した自分の不動産の所有権を他人に主張することが出来ません。
また、通常の不動産の取引においては、登記されていないということで所有者として確認できないことになり、取引ができないということになってしまいます。
つまり、不動産の売却や担保設定して金融機関からの借り入れも出来ないということになってしまいます。
任意売却する際も同様で、建物が未登記の場合は所有者としての確認ができないと判断され、任意売却自体出来ませんので注意が必要です。
登記がされているかどうかは、近くの法務局で確認ができます。
3、未登記の不動産を登記する方法
未登記不動産を登記する方法は、どれだけ古い未登記の建物であっても、「いつでも」所有者からその不動産の所在地を管轄する法務局に表題登記を申請することが出来ます。
自己での申請もできますが、専門的な手続きになるため、司法書士等の専門家に相談することをお勧めいたします。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。