特別調停とは、裁判所を利用した任意整理の一種で、見直し後の借金を3年~5年の分割で返済する手続きです。
任意売却した後の残債の処理については、基本的に任意整理、個人再生、自己破産の3種類がありますが、まれに特定調停を活用することがあります。
【詳細解説】
任意整理は裁判所を介さずに各債権者と交渉を行うのに対し、特定調停は調停の一種なため裁判所の介入があります。
他にも任意整理との違いとして、取立が止まる時期、債務名義の有無などがあります。
任意整理の場合は弁護士に依頼すれば直ちに取立が止まるのに対し、特定調停の場合は実際に裁判所に申立をしない限り取立が止まることはありません。
そして、特定調停の場合当事者間で合意が成立すると調停調書という書面が裁判所で作成されます。
この調停調書は裁判の判決と同じ効力があるので、債権者との合意通りに支払うことができなかった場合債権者は給料差押え等の強制執行をすることができます。
※判決には債務名義という効力があり、債務名義があると強制執行できるようになります。
逆に任意整理の場合は裁判所の介入はないため、そのような効力は認められません。
※任意整理の場合は代理人(弁護士)が代わりに手続等を行ってくれますが、特定調停の場合は基本的には本人が各債権者と交渉する必要があります。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。