競売開始決定通知とは、債権者(または抵当権者)が競売の申し立てをして、それを裁判所がそれを受理したという通知です。
競売開始決定通知が届いた後の流れ
まず、通知が届いたからと言って、すぐに家を出て行かなければならなくなるということはありません。
競売開始通知が届くと、1週間位のうちに裁判所から執行官が競売対象不動産の調査に来ます。
建物の場合は各部屋の写真を撮られ、その後競売物件として写真も公開されます。
その後、4~6か月で入札が開始され、入札開始日から1か月ほどで開札日を迎えます。
したがって、競売通知が届いた時点で、ご自宅に住み続けられる猶予は概ね半年前後となります。
なお、競売開始決定通知があってもまだ任意売却に移行することは可能です。
基本的に債権者としても債権を多く回収したい気持ちがあるので、競落予想価格と、任意売却による配分額を比較して任意売却の方が高額になる可能性があれば、多くは任意売却を了承してくれます。
ただし、改札期日の前日までに任意売却を成立させる必要があるので、猶予は多くありません。
※厳密には開札が行われ落札者が決まったあとも、代金が納付されるまでは競売取り下げが可能ですが、落札者の同意を得ることが必要になり、落札者も競売に対してコストが掛かっているため、落札者が取り下げに同意する可能性はほぼ無いと考えて下さい。
競売から任意売却に切り替えるには、全債権者、全抵当権者の了承をとらなければならないため、任意売却をお考えの方はとにかく早めに相談することが重要です。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。