自己破産とは、最低限の生活用品などを除いた全ての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済し、残りの債務をすべて免責する裁判上の手続きのことをいいます。
自己破産というと非常にイメージが悪いですが、これは国が認めた正当な制度であり、状況によっては人生を再出発するための有効な方法でもあります。
【詳細解説】
破産は債権者からも申し立てが出来ますが、債務者自らが申し立てる破産を「自己」破産といいます。
自己破産は借金整理の最終手段なので、必要最低限の生活用品を除く全ての財産は強制的に換価されて、債権者に平等に分配することで、残りの借金はすべて免責されます。
自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ3か月から半年程度です。
自己破産をすると、信用情報に傷がつき(ブラックリストに載る)、借り入れができなくなったり、誰でも見ることのできる官報に掲載されてしまいす。
そしてなんといっても、マイホームを所有している場合は手放すことになってしまうことが通常です。
自己破産を回避するには?
競売では自宅が安く叩き売られてしまい、競売後に多額の残債が残るため自己破産をせざるを得ないという方がほとんどです。
そのため、住宅ローンの返済が厳しい場合は、自宅を競売にかけられる前に任意売却することで残債が減り、自己破産を防ぐことも可能な場合もあります。
また、自宅を任意売却した後の残債は、任意整理によって分割返済の交渉も可能です。
自己破産が有効な場合は?
一方で、どうしても返済が難しい場合は、自己破産して残りの債務をすべて免責し、再出発するのもひとつの方法です。
よく「会社に知られたらクビになる」「子供の就職や結婚に影響する」「旅行に行けなくなる」「家に赤紙が貼られる」などの誤解をされる方がいらっしゃいますが、基本的にそういったことはありません。
ネックになるのは「自宅」「車」「クレジットカード」くらいでしょう。
つまり、任意売却して自宅を売却した後であれば、さほど大きなデメリットはないケースが実は多いといえます。
以上のように、任意売却などにより自己破産を防ぐための方法、あるいは自己破産したほうがメリットが大きいケースなど、住宅ローン問題には様々なケースがありますので、専門家がご相談者様に合ったご提案をさせていただきます。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。