期限の利益の喪失とは、一言で言うと残りのローンを一括して払わなくてはならないということです。
用語解説
お金を借り、返済する際は一括で返すことが普通です。
例えば、ジュースを買おうとして現金が無かったので友人から100円借りたら、その100円は一回で返済する人が通常だと思います。
ところが、額が多くなると分割して返済することがあります。
例えば、車や自宅を購入した場合、ローンを組んで月々◎○円を支払っている場合です。
債務者の立場からみるとこのように返済期間に時間が出来る、稼げるということになり、この時間が稼げることを法律用語で「期限の利益」と呼びます。
そして、この期限の利益がなくなることを「期限の利益喪失」といいます。
※実際には分割払いの権利を得る代わりに、金利という金銭を払うことにはなります。
期限の利益がなくなる=分割して返済ができなくなる=一括で返済しなければならない。ということです。
住宅ローンとの関係でいうと、ローン借り入れの際に結んだ銀行との契約書の中には「1回でも遅れたら残っている返済を一括で返済しなければならない」という条文がある場合があります。
実際の運用上は、住宅ローンを5~6か月滞納すると期限の利益を喪失するのが一般的で、期限の利益を喪失すると債権者である金融機関から通知が届きます。
銀行はこの条項に基づきローンが滞納されると一括でローンを請求してきます。
当然、支払えない人がほとんどだとは思います。
一括請求を放置しておくと、自宅は差し押さえられ、競売にかけられ自宅を失ってしまいます。
一括請求の通知が来ている場合は早急にご相談ください。
また、請求は来ていなくても支払いが今後滞ってしまう可能性が高い場合は、少しでも早くご相談下さい。
任意売却により、状況を好転させることが出来る可能性があります。
少しでも早いご相談が、より良い解決への近道です。
【執筆者】
ライフソレイユ株式会社
加藤康介(宅地建物取引士)
大手コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして6年間従事し、中小企業の経営をサポート。
その後、任意売却専門の不動産会社「ライフソレイユ株式会社」を設立し、これまでに1000人以上の住宅ローン返済に困窮する相談者の生活再建を支援している。
その活動がテレビでも取り上げられ、雑誌にも定期的に記事を寄稿している。